かかしは子供のころ、実家の近くに田んぼが多くてよく見かけた。当時は東京の郊外でも自然が豊かで、スズメが電線にびっしりと止まっているような事も多く、農家の被害も大きかったんだろう。現在でもきっと同じような光景は見られるはずだが、あそこまでのスズメはいないだろうし、かかしの出番もあまりないんだろうな。
かかしの中には鳥獣を追い払う効果を高めるために、動いたり、音を出したりするものもあるんだそうだ。そうでなくても頻繁に作り変えてデザインを変更しないと、動物たちはすぐに慣れてしまうらしい。法律やモラルがまったく通用しない相手だから農家の人も苦労する。もちろん、かかしの苦労も絶えないというわけだ。
かかしは独特なフォルムに人気があり、ちょっとしたキャラクターとして扱われることもある。昔話などにも人間のように喋る役で登場する機会が多い。また、日本だけでなく、ハリウッド映画の「バットマン」シリーズに登場したスケアクロウという敵役がいる。スケアクロウというのも、日本語にすればかかしの意味になるのだ。
かかしというのは人の姿を模している。だから地方によっては有名人そっくりなものを作り、それを集めることで観光資源として活用しているところもあるんだそうだ。現在は田んぼに色の違う稲を植えて地上絵を作ったり、自由に立ち入れる田んぼを作ったり、かかしに限らず、農業を利用した観光資源が増えてきたらしい。